この文書の現在のバージョンと選択したバージョンの差分を表示します。
アンサンブル平均 2015/07/10 12:28 | アンサンブル平均 2015/07/10 12:30 現在 | ||
---|---|---|---|
ライン 41: | ライン 41: | ||
- | ===== 例 ===== | + | === 例 === |
粒子の吸着しうる「席」がM 個並んでおり、その上にN 個の粒子が吸着しているとする。1個吸着したときの吸着のエネルギーをe とする。 | 粒子の吸着しうる「席」がM 個並んでおり、その上にN 個の粒子が吸着しているとする。1個吸着したときの吸着のエネルギーをe とする。 | ||
ライン 56: | ライン 57: | ||
- | [TOP] | + | ==== 粒子数が変化する場合(Grand Canonical Ensemble) ==== |
- | * [[Canonical_Ensemble|粒子数一定の場合(Canonical Ensemble)]] | + | |
- | * [[Grand_Canonical_Ensemble|粒子数の変化する場合(Grand Canonical Ensemble)]] | + | |
+ | |||
+ | 統計力学の帰結から、状態 J が実現する確率は、その状態のエネルギー EJ 、温度 T、粒子数 N 、化学ポテンシャル m で以下のように書ける。 | ||
+ | |||
+ | ; はボルツマン定数 | ||
+ | 大分配関数 | ||
+ | 期待値 | ||
+ | 例:粒子の吸着しうる「席」がM 個並んでおり、粒子が吸着したり脱離したりしているとする。1個吸着したときの吸着のエネルギーをe とする。 | ||
+ | |||
+ | 吸着している「席」を1で、吸着していない「席」を0で表わす。0と1の分布を一つ決めると、状態が一つ決まる | ||
+ | |||
+ | M =3 | ||
+ | J=0 000 | ||
+ | J=1 100 | ||
+ | J=2 010 | ||
+ | J=3 001 | ||
+ | J=4 110 | ||
+ | J=5 101 | ||
+ | J=6 011 | ||
+ | J=7 111 | ||
+ | |||
+ | 状態 J の全系の粒子数は、 ; | ||
+ | (はi番目の「席」に吸着していれば1、そうでなければ0) | ||
+ | 状態 J の全系のエネルギーは、 | ||
+ | 状態 J の生じる確率は、 | ||
+ | ; | ||
+ | 課題2: 上の例で、M =4 のとき、どのような状態があるか、すべて書く。また、それらの状態での全系のエネルギーとそれらの状態の生じる確率を求める。 | ||
+ | |||
+ | 課題3: 上の例で、M = 100 のとき、状態の数はどれくらいか。また、現在最高のコンピュータは1秒間に約 109 回の演算ができると言われているが、M = 100 の系での平均値を計算するのに、このコンピュータで最低どれだけの時間がかかるか求める。 | ||
; 課題1 | ; 課題1 |