育英会奨学金

大学院在学中の5年間独立行政法人日本学生支援機構1)から奨学金をもらっていた。今で言う、第一種奨学金というやつで無利子の貸与ってやつ。総額で500万円ぐらいにはなっただろうか、結構な額の借金である。 大学卒業後何年か経った頃、同級生の結婚披露宴の二次会でみんなで借金総額を自慢し合ったことがあったが、堂々の第三位であった。ちなみに第一位は家を買って3000万円の借金って奴だった。

私ぐらいの年代で、この商売をしていると奨学金返還免除になるんだけど、私は文部省のポスドクではなく科技庁のポスドクであったため免除(正確には猶予)にはならなかった。二年ぐらいなら毎年申請して無条件で猶予してもらえる制度があったと思うのだが、最初はポスドクを4年ぐらいはやるつもりで居たので早々にあきらめてしまった。そんなわけで、大学教員としては珍しく、日本育英会の奨学金を毎年きちんと返している。完済まで後もうちょっと。負け惜しみで言うんじゃないが2)育英会の奨学金には本当にお世話になったので、後進のために返還するのは当然だとも思う。

大昔は教員を確保するために免除していた、というのはわかるが、ずいぶん前からその前提は崩れているんじゃないかな。 だから、最近の「成績優秀者に償還免除」というのには原則としては賛成する。実際に現場ではいろんな問題が出てきてはいるが。 ただ、最近の就職状況やポスドク問題なんかを鑑みると定職に就くまでは償還猶予という制度も取り入れて欲しい。 もちろんこの場合も何をもって「定職」と看做すかは議論の余地があるとは思うが。 何にせよ学生のとき奨学金をもらってた大学のセンセは自主的にでも返還したほうがいいと思うな。

ただし、学生支援機構の奨学金制度自体に文句がないわけではない。 それどころかオオアリである。 だいたい無利子とはいえ貸与ってとこがせこいじゃねえか。 高等教育の費用の問題になると決まって問題になるのが国際人権規約13条だが、そろそろ保留を解こうよ。 合衆国も守っていないって言われるけど、あっちは奨学金が結構充実していると聞くし、実際大学院生なんかは奨学金以前に研究費から給与をもらっているぐらいだ。 日本にもTAはあるし、うちの大学なんかは博士課程の大学院生に対してはRAという形で授業料の大半を還流させる制度をもってはいるがとても十分とは言えない。 うちの学生でちょっと目端の利く奴は、大学でTAやるぐらいなら付属高校で非常勤やるもんね。そのほうが時給いいから。

そこで提案したいのは、給付型奨学金制度の創設。 原資は国公立大学法人への給付金と私立大学への助成金を全廃しその予算を充てる。 一件の額は、当該学生が通う大学の4年間分(医科歯科薬科は6年分)の授業料。 対象人数は何人になるかわからないけど現状での(給付金と助成金の総額)/(一人当たりの平均授業料総額)人ぐらい。 つまり現在国が学校に出してるお金を学生経由で学校に出しましょうというだけの話。

メリット/デメリットについては、また今度。

1) 当時、日本育英会
2) というのはだいたい負け惜しみではあるが
miscs/日本学生支援機構奨学金.txt · 最終更新: 2010/03/17 13:29 by kimi
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