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seminar:シミュレーションの単位 2009/02/02 20:25 — 現在
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-====== シミュレーションに用いる単位 ====== 
-===== SI基本単位 ===== 
-  ; 長さ 
-  : 定性的な扱いをする場合、表面の二次元単位格子の格子常数を長さの単位に採ることが多い。 
-  : 定量的な計算では、主にオングストローム(0.1 [nm] = 1.0x10<sup>-10</sup> [m])を用いる。 
-  ; 質量 
-  : 質量が問題になるのは主に分子動力学的な計算を行う場合であるので、電子ではなく原子の質量を考える。定性的な扱いでは運動を考えている原子の質量を単位にして考える。 
-  : 定量的な扱いでは原子質量単位(1 [u] = 1.6605402x10<sup>-27</sup> [kg])が便利である。 
-  ; 時間 
-  : 定量的には「秒」を使うわけだが、何を単位時間と考えるのが解りやすいかは考える現象によって異なる。そこで、後述するエネルギーの単位から時間の単位を決定し直すことがよく行われる。 
-  ; 電流 
-  : 電荷の単位が、文句無く素電荷(e = 1.60217733x10<sup>-19</sup> [As])であるので[素電荷/単位時間]が電流の単位になる。すなわち時間の単位を決めれば自動的に決まる。 
-===== SI誘導単位 ===== 
-  ; エネルギー 
-  : シミュレーションの対象となる現象の性格を最も如実に示す物理量がエネルギーである。そこで、シミュレーションでは扱う問題に特有のエネルギー、例えば相互作用などをエネルギーの単位にとり、そこから時間や電流の単位を逆に決定する。 
-  : 定量的にはエレクトロンボルト(1 [eV] = 1.60217733x10<sup>-19</sup> [J])を用いる。 
-  : 考える現象を性格づける他の物理量、すなわち温度、波長(波数)、振動数、電圧などの単位をそのまま用いることもある。この場合は対応する熱力学や量子力学の関係式でエネルギーの単位から換算して求める。この際、次のようにプランク常数とボルツマン常数を「エレクトロンボルト」に換算し直しておくと便利である。 
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-^名称 ^ 記号 ^ ジュール換算 ^ エレクトロンボルト換算 ^ 
-|プランク常数|<latex>\hbar</latex>|1.054571628x10<sup>-34</sup> [Js]|6.582115527x10<sup>-16</sup> [eV s]| 
-|ボルツマン常数|<latex>k_{\rm B}</latex>|1.3806503x10<sup>-23</sup> [J/K]|8.6173376x10<sup>-5</sup> [eV/K]| 
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-====== シミュレーションに用いる単位 ====== 
-===== 基本単位 ===== 
-^ 次元 ^ 単位 ^ 名称 ^ 定義 ^ SI単位 ^ 
-| 長さ*  | Å | オングストローム | | 1.0x10<sup>-10</sup> [m]| 
-| 質量*  | u | 原子質量単位 | <sup>12</sup>Cの質量の12分の1 | 1.6605402x10<sup>-27</sup> [kg]| 
-| エネルギー | eV | 電子ボルト | 1Vで加速された電子の運動エネルギー | 1.60217733x10<sup>-19</sup> [J] | 
-| 電荷 | e | 電荷素量 | 電子の電荷の絶対値 | 1.60217733x10<sup>-19</sup> [As] | 
-| 電位 | V | ボルト |  |    | 
-| 温度  | K | ケルビン | 1 [K] = 8.617x10<sup>-5</sup> [eV]\\ 300 [K] = 25.85 [meV]\\ 1 [meV] = 11.6 [K] || 
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-SI単位系では「長さ」「質量」「時間」「電流」を基本単位に採るが、原子スケールのシミュレーションでは電子一個分の電荷を単位設定の基本にとるのが便利。 
-===== 基本誘導単位 ===== 
-^ 次元  ^ 定義 ^ SI単位 ^ 
-| 電気抵抗 | <latex>\hbar/e^2</latex> | 4108.2316 [Ω] = 4.1 [kΩ] | 
-| 電場 | V/Å  | 1x10<sup>10</sup> = 10 [GV/m] | 
-| 静電容量 | e/V  | 1.602x10<sup>-19</sup> [F] | 
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-「電荷」、「電圧」、「長さ」を基本単位にとったので、これらの単位は一意的に決まる。静電容量は1Vで電子一個分で、当たり前とも言えるが、電気抵抗の単位がユニバーサルな定数だけで書けるのがおもしろい。この逆数が量子化コンダクタンスである。単位電場の巨大さがナノデバイスにおける電界効果の重要性を示唆している。 
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-一方、「エネルギー」を基本単位にとったために「時間」「電流」が誘導単位になっている。これは考えるエネルギースケールによって以下のような単位で考えるとよい。 
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-^ 次元  ^ 記号* ^ 定義 ^ SI単位 ^ 
-| 時間  | <latex>t_0</latex> | <latex>\hbar/eV</latex> | 1[eV]~ 6.582x10<sup>-16</sup> [s] = -0.66 [fs]\\ 1[meV]~ 6.582x10<sup>-13</sup> [s] = -0.66 [ps] | 
-| 電流  | <latex>i_0</latex> | <latex>e/(\hbar/eV)</latex> | 1[eV]~ 0.2434x10<sup>-3</sup> [A] = 0.24 [mA]\\ 1[meV]~ 0.2434x10<sup>-6</sup> [A] = 0.24 [μA] | 
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-*以下この記号を用いて定義する。 
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-大雑把に言って、eVオーダーのエネルギースケールの現象は電子の運動にまつわるものであり、meVオーダーのエネルギースケールの現象は原子自身の運動に関与するものである。例えば同時に励起しても、電子系の緩和はフェムト秒オーダーで終わってしまうのに対して、格子緩和はピコ秒にまで及ぶのである。もちろんマクロなスケール(我々の目にする世界)に比べれば、どちらも一瞬のことではあるが。 
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-===== 組立誘導単位 ===== 
-^ 次元  ^ 定義 ^ SI単位 ^ 
-| 速度  | <latex>1{\rm \AA} /t_0</latex> | 1[eV]~151926.8381 [m/s] = 152 [km/s]\\ 1[meV]~152 [m/s]  | 
-| 力  | <latex>1{\rm u \AA} /t_0^2</latex> | 1[eV]~0.38328 [μN]\\ 1[meV]~0.38328 [pN] | 
-| 周波数 | <latex>1 /t_0</latex> | 1[eV]~1.519 [PHz] \\ 1[meV]~1.519 [THz] | 
-| 磁束密度 | <latex>1V \times t_0/{\rm \AA}^2</latex>  | 1[eV]~65.821 [kT] \\ 1[meV]~65.821 [MT] | 
-| 磁界強度 | <latex>i_0/{\rm \AA}</latex>A/m  | 1[eV]~ 2.434 [MA/m] \\ 1[meV]~ 2.434 [kA/m]  | 
-| インダクタンス | <latex>1V \times t_0/i_0</latex>  | 1[eV]~ 2.704 [nH] \\ 1[meV]~ [μH] | 
seminar/シミュレーションの単位.1233573908.txt.gz · 最終更新: 2009/02/02 20:25 by kimi
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