アンサンブル平均

  1. 物理量の期待値
  2. 状態の実現する確率
    1. 粒子数一定の場合(Canonical Ensemble)
    2. 粒子数の変化する場合(Grand Canonical Ensemble)

物理量Aの期待値(平均)

Graph

Graph: 系の状態の数
Graph: 状態Graphの実現する確率
Graph: 状態Graphが実現しているときの物理量Graphの値

状態の実現する確率

粒子数一定の場合(Canonical Ensemble)

統計力学の帰結から、状態 J が実現する確率は、その状態のエネルギー EJ と温度 T で以下のように書ける。 Graph

  ; はボルツマン定数 
  分配関数 
  期待値 

例:粒子の吸着しうる「席」がM 個並んでおり、その上にN 個の粒子が吸着しているとする。1個吸着したときの吸着のエネルギーをe とする。

吸着している「席」を1で、吸着していない「席」を0で表わす。0と1の分布を一つ決めると、状態が一つ決まる

  M =4 N =1 	
  J=0 1000
  J=1  0100
  J=2  0010
  J=3  0001
  状態 J の全系のエネルギーは、 
  状態 J の生じる確率は、 ; 

粒子数の変化する場合(Grand Canonical Ensemble)

統計力学の帰結から、状態 J が実現する確率は、その状態のエネルギー EJ 、温度 T、粒子数 N 、化学ポテンシャル m で以下のように書ける。

  ; はボルツマン定数 
  大分配関数 
  期待値 

例:粒子の吸着しうる「席」がM 個並んでおり、粒子が吸着したり脱離したりしているとする。1個吸着したときの吸着のエネルギーをe とする。

吸着している「席」を1で、吸着していない「席」を0で表わす。0と1の分布を一つ決めると、状態が一つ決まる

  M =3 	
  J=0  000
  J=1  100
  J=2  010
  J=3  001
  J=4  110
  J=5  101
  J=6  011
  J=7  111
  状態 J の全系の粒子数は、 ; 
  (はi番目の「席」に吸着していれば1、そうでなければ0) 
  状態 J の全系のエネルギーは、 
  状態 J の生じる確率は、 
  ; 

課題1:

Canonical Ensembleの例で、M=4, N=2のとき、どのような状態があるか、すべて書く。また、それらの状態での全系のエネルギーと状態の生じる確率を求める。

課題2:

Grand Canonical Ensembleの例で、M=4のとき、どのような状態があるか、すべて書く。また、それらの状態での全系のエネルギーと状態の生じる確率を求める。

課題3:

Grand Canonical Ensembleの例で、M = 100 のとき、状態の数はどれくらいか。また、現在最高のコンピュータは1秒間に約 109 回の演算ができると言われているが、M = 100 の系での平均値を計算するのに、このコンピュータで最低どれだけの時間がかかるか求める。

trash/アンサンブル平均.txt · 最終更新: 2009/02/03 17:46 by kimi
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