系を粒子数一定、全エネルギー一定として取り扱う。真空中の粒子の運動などはこの方法によって取り扱うのが便利である場合が多い。温度は1自由度当たりの運動エネルギーの2倍の平均値として求められる。
系を粒子数一定、温度一定として取り扱う。実際の表面系の多くは、下地が熱浴としてはたらくために温度一定の取り扱いをする方が便利な場合が多い。
小正準集団において、系の温度を一定に保つために人為的に速度をスケールする。
具体的には、系の実際の温度(運動エネルギーの平均から求まる温度)を、設定温度を
とするときに、各時間ステップごとに
のようにスケールすると系の温度をに保つことができる。ただし、を系の自由度の数、を系の運動エネルギーとするとき、である。
注意:
人為的な操作であるため、物理量の平均値を求める際には、充分に平衡状態に達したと考えられる時点でスケーリングを停止してから行う。
平衡状態を保つようにして温度を徐々に下げていくと粒子は最も安定な(あるいは準安定な)位置に落ち着く。このようにして物質の安定な構造を得ることができる。
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速度スケーリングの方法で、1次元運動する1個の粒子の最安定状態を求めるプログラムを作成する。(W型ポテンシャル)
速度スケーリングの方法で一定温度のシミュレーションを行うことができることを示す。