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電子の運動と量子力学

量子力学の基本方程式はシュレディンガーの波動方程式と呼ばれる微分方程式です。この微分方程式を解くことによって電子の運動を理論的に計算することが出来るわけですが、この方程式は特別な条件のとき、しかも一個の電子についてしか数式だけを使って解くことはできません。例えば電子材料としてよく用いられる硅素(シリコン)について考えてみることにしましょう。

シリコン原子のなかには14個の電子が含まれています。シリコンの結晶は一兆の一兆倍ぐらいの数の原子からできていますから電子の数は一兆の一兆倍のそのまた10倍ぐらいになります。もちろんこんなに多くの電子の運動は計算できませんから、先程述べたような結晶が無限に秩序正しく原子が配列したものだという仮定を使うことにします。シリコン結晶の原子配列の一つの繰り返しの中には二つのシリコン原子が含まれているので電子の数は24個ということになります。このぐらいならなんとかなりそうですがやっぱり方程式は数式では解くことができません。そこで電子計算機(コンピュータ)を使って数式ではなく数値として方程式を解くことが行われています。