Links

統計力学

このように物理の基本法則(基本方程式)だけを使って電子や原子の運動、ひいては物質の性質を理論的に計算しようとすると、コンピュータを使ってもせいぜい結晶のミニチュアが計算できるだけで現実の一兆の一兆倍個もの原子を含む結晶の理論計算はできません。実は、非常に多くの原子や電子について一個々々の運動を計算するのは諦めて平均としての運動を計算する方法があります。これが統計力学です。

ニュートンの運動法則を基礎とするものを古典統計、量子力学を基礎にするものを量子統計といいますが、どちらも個々の原子や電子の運動を調べる代わりに、可能性のある運動すべてについて「ボルツマン因子」という数式を計算しておきそれを基に原子や電子がその運動をしている確率や平均としての運動を調べることができます。ところが可能性のある運動すべてというのはたいていの場合無限に存在しますからこの統計力学を使っても特別な場合を除いては数式で答えを計算することはできません。ここでもコンピュータが活躍することになります。