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電気電子システムと表面科学

表面の効果はこれまで無視されてきた?

物質の様々な性質を解明することを目的とした学問を物性学といいますが、この物性学は歴史的には原子の秩序的な配列が無限に続いているような結晶の内部についてだけを扱ってきました。もちろん現実の結晶は有限の大きさを持っているのですが、その中には一兆の一兆倍ぐらいの原子が含まれているので、事実上無限にあると思っても差し支えなかったのです。秩序的な配列が無限に続いていると考えることで物質の性質を考えるための理論が数学的に簡潔になるため、この考え方は大成功を納めました。現実には存在する表面のことを何故考えなくても良いのでしょうか?ちょっと計算してみましょう。

立方体の結晶があって、その中に一兆の一兆倍個の原子が含まれているとします。そうすると、立方体の一辺に含まれる原子は一億個ということになります。立方体の一つの面に含まれる原子の数は一億の一億倍個で、表面にある原子と結晶の中にある原子の比率は大体一億分の一程度の大きさになります。表面の効果はこの程度しかないので物質の性質は結晶内部の性質だけでほぼ決ってしまうというわけです。