Surface Science and Solid State Theory Laboratory

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授業の難易度の擦れとか捩れ

Posted on 6月 16, 2009 by kimi

今期のうちの4年生5人中3人までもが、未だに「微分方程式」の単位がとれずにいる。1) 「へー、そんな難しいのやってンの?」気になって2年生の講義で聞いてみた。
「こんなん講義でやった?」
「むりやり完全微分式に持ち込むやつですね。○○先生はそこ飛ばしました。」
なるほど、先生によって随分違うんだ。

学内では珍しいのだが、デンデン2)の数学はすべて専門の教員が担当している。つまり、数学専門ではなくそれぞれに回路や半導体やロボティクスの専門家が数学を教えている。その結果実用的な数学が講義できるという利点と同時に、何を重点的に教えるかが結構まちまちになったりする。例えば私が微分方程式を教えるんならラプラス変換なんか金輪際教えないが、先生の中には「ラプラス変換が全て。ラプラス変換で解けない問題は解けなくていい。」と言わんがまでにラプラス変換に重点を置く先生もいる。数学担当はのべにして10コマ・人いるわけで、適宜連絡をとり合いながらなんとか日々凌いでいる。

我々のころは「教養の数学」と「専門の数学」ってのがあって、話の流れからは「教養の数学」は厳密だが非実用的で「専門の数学」は実用的だが厳密性に欠けるって言うふうに話が続くと、話がしやすいのだが、我々の場合「教養の数学」も「専門の数学」も「数学の専門家」が教えてくれたので、ひたすら定義→公理→定理→証明の繰り返しだった。今から思えば、私には随分役に立っているが、普通に会社でR&Dやってる連中には、ほとんど役に立たない代物だっただろうね。まあ、普通に専門科目やってりゃ実用的な数学は自ずと身に付くような専門分野だったんだけどね。

数学に限らず、教養部があったころは教養部の講義内容と学部学科の講義内容の間の擦れとか捩れが問題になっていた。何せ、専門の「近代化学」よりも教養の「化学概論」「無機化学概論」のほうがよっぽど難しいという状態だった。その是正に着手されたのは、おそらく正に我々が学生のころ。ところが、教養部ってのはでっかい組織で、組織を解体するほどの覚悟で臨まなければ改革などできないと思われており、実際解体されちゃったわけだ。いざ解体しちゃうと教養部の担っていた役割は思いの外でかかったということにやっと気がついた。

このきっかけとも言える、もっとも喫緊の問題が「プロパーな科目よりリメディアル科目の方が難しい」っていう教養部解体のきっかけとなった授業内容の擦れとか捩れと同型の問題だというのがとても皮肉だが。

1) ちなみに2年次生対象の必修科目である

2) 電気電子システム学科のことを最近の学生さんはこう呼んでいるらしい。

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