Surface Science and Solid State Theory Laboratory

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Third watch on iPad

Posted on 6月 01, 2010 by kimi

これまでの話

5月28日午後、家から入電。「Appleから三つも箱が送られてきた。そのうち二つは空気の重さしかしない。」とのこと。64GB-Wifiモデル、届いたようだ。しかし、別送したVGAケーブルとカメラキットまで同じ大きさの箱で届くとは。こんなもんメール便で充分だろうに。

早速、長ーい時間をかけてデータを同期すると、大きなiPhoneの出来上がりである。それでは順に見て行こう。

まずは大きさ。流石に絶妙というのはこういうことかと思うような大きさだが、大きさの割にずしりと重い。相方曰く「ギルバートの頭を殴るのにちょうど良さそう」iPadの発表前にit系マスメディアがAppleのTablet機の名称を盛んに予想していた。その中で最も有りそうだったのがiSlate。赤毛のアンがギルを殴るのに使ったあの石板である。実際当時の石板と比較しているサイトがあって、ここを見てみるとそのものズバリの大きさらしい。ただし重さは3倍。枠の材質は木からアルミとガラスに変わっているので、現代のギルバートは無事では済むまい。そう思うと大きさの試行錯誤はあまりしなかったのかもしれない。欧米人にとってはSlateってのはこのサイズと決まっているのだろう。

広さは予想以上に快適なのだが、重さはそれ以上に重い印象を持つ。片手で長時間保持するのは拷問に近い。結局どこかに置くか、手は支えるだけという使い方になる。つまり、座卓にiPadを置いて正座して使うか、ソファに深く腰掛け座面と同じくらいの高さの足置き(この用途には通常テーブルが使われるだろう)に足を組むか曲げるかして足をのせ、太ももの上にiPadを乗せて滑り落ちない程度に手で支えるか、とっても行儀の良い使い方ととっても行儀の悪い使い方との両極端になってしまう。そういう意味では洋の東西を問わず昔の学校で使われていた角度のついた書見台のような机の上に置いて使うというのが一番ぴったりである。

画面は非常に美しいが、映り込みが激しい。これは好みの分かれるところだろう。気になる場合はノングレアの保護シートを貼りなさいということだ。これまで旅行の写真を家族に見せるようなときにiPhoneにAVケーブルをつないでテレビに映していたのだが、このサイズでこの美麗さならそういった用途には最適である。手持ちの動画がiPhoneに最適化されているので、iPadの高精細画面では粗が目立つ。これは後でもう一度触れようと思うが、動画コンテンツをどうするかが大きな問題になるだろう。残念ながら旅行で自分で撮った動画などはデジタルカメラやiPhone 3GSなのでたいした解像度ではない。やっぱりXacti買おうかな。

動作はキビキビしていて気持ちがよい。待ち時間のほとんどはネット経由でのデータの読み込み。バッテリ駆動時間も謳い文句通り。ただし、貧乏性なもんでバッテリが50%を切るとそわそわしてしまう。ただこのバッテリの持ち具合に慣れてしまうと、iPhoneやノートPCで痛い目を見るかもしれない。軽快な動作にせよ、バッテリの効率にせよSoC(System on Chip)とソフトウェアの最適化の賜物であろう。Apple社が開発環境をコントロールしたがってる理由が、jailbreakをいやがる理由が、ここにある。

周辺機器はまだApple wireless keyboardしか試していないが、接続も簡単で使い勝手もよい。ただし、iPad本体を抵当な角度を付けてどこかに固定する必要があるが。困った点はキーボードを使っていると頻繁に画面に触るのが億劫になるところ。マウスが使いたい、と一瞬思ってしまったほどだ。
A-GPSはないが、Wifiのみを使った測位は結構正確。見知らぬ土地で地図を片手に、という用途にはiPhoneの方が向いているわけで、Wifiの使えるホテルの部屋とかロビーとかカフェとか会議場とかで地図を見る際には、今いるところがだいたいわかればいいわけだから、これで充分。

iWork互換ソフト群はさすがに良くできている。今のところ一番の問題はフォントの互換性。できればiWorkの次のアップデートでiPad版互換モードみたいなのを付けて欲しい。Macからファイルを転送する方法がiTuneによる同期、すなわちWiredというかPlugedな方法しか無いというのは間抜け。せめてMobile me (iDisk)からの読み込みはサポートすべき。これについても後述したい。
Keynotes/Pages/Numbersともに良くできてはいるのだが、操作性はそれぞれに癖が有る。Mac版の使用法とは発想を変える必要がありそうだ。特にNumbersの操作には熟練を要する。私が器用にセルの線を指で捕まえるのを見て合い方が「指でそんな操作は絶対できへん。ペンみたいなのはないの?」と宣っていた。既にiPhone用にいくつか売られているが、iPadではiPhoneよりも専用スタイラスの需要が大きいかもしれない。

iBookはProject Gutenbergだけで残念な限りだが、i文庫HDと合わせて古典が読めるだけでも価値はある。液晶画面がどのくらい疲れるのかまだ判らないが、ちょっと見た感じでは予想よりケバケバしい印象は無い。「マガストア」は、ソフトウェアの操作性はまだまだだが、結構いい線をいっている。少なくとも今後私が紙媒体のMacFanを買うことは無いだろう。eBookJapanはiPhone用アプリだけで、まだiPad版が出ていないのでiPhone版の拡大表示なのだが、意外といける。単純にドットを拡大しているだけではないようだ。

結局これまでの生活のうち、ソファでパソコン起動してやってたことやら、ソファで雑誌や漫画といったものがソファでiPadに置き換わりつつある。ただし、Flashに対応しないことには痛痒を感じないが、生協の戸配のWeb注文書がJavaアプレットなので、そこんとこだけパソコンが必要。あとどうしてもファイルの同期をとるためにもパソコン(MacBook)を起動する必要がある。

大体の機能については予想通りか予想を上回るものがあり満足度は高い。ただし、コンテンツの不備に関しても予想通りで、iBooksやi文庫HDの出来が良いだけに、他の出版物が同様に手に入らないのは痛い。これに関してはまだ始まったばかりともいえるので今後どう転んで行くかはわからないが。どこか大手の出版社が一社動くと大きな変化が起きるだろう。ただ、出版物に関してはあまり悲観してはいない。ここ数日の動きを見ても、出版物に関してはいずれ整備されて行くと思われる。問題はその際に囲い込みや既得権益者に対する過度の配慮が行われたり、グループごとの互換性の問題が起こったりするのではないかという心配がある程度である。検閲まがいのアプリケーション規制からもわかるように、そのすべてをApple社の垂直統合下に置くことはあまり良いとは思えないので、電子出版のグループごとにアプリケーションソフトウェアが異なったり、文書フォーマットが異なったりするのは容認せざるを得ないと思うのだが、せめてアプリケーションレイヤープロトコルの公開だけはしてほしものだ。

全く悲観的な展望しか持てないのは動画についてである。太平洋の向こうではiTuneで映画を買ったりテレビドラマの配信を受けたりできるらしいが、我が国では残念ながらそういった事ができる気配すらまったくない。iPhoneのアプリケーションではあるけれどもNHK World Liveなんかを見るとやる気さえ有れば相当なものがすぐにでも出せるはずである。業界雀によると次はiPhone OSの乗ったApple TVだそうだが、日本の動画環境だけは世界に大きく水をあけられることになるのではないかと危惧している。iPadの標準アプリケーションであるMovieは今のところ最も役に立たないソフトになってしまっている。これを活用する為には自分で動画コンテンツを用意するしか無いのだが、違法なDVDのリッピングをするぐらいしかiPadで映画を見る方法は無い。

iPhoneとの連携ばかりを心配していたが、実際使ってみるとiPhoneとiPadは私の用途ではまったくコンフリクトするところは無い。家の中ではiPad、外ではiPhone、必要な情報はMobile meで同期というわけで、後は出張用途をどこまでiPadで代用できるかというのが今後の課題である。MacBookもしくはMacBookAirの用途を完全に置き換えることができないことはわかっているが、出張アイテムはできるだけ小さく軽い方がいいので。それより現在の不満はファイルの同期をアプリケーションごとに有線のiTunesでとらなければいけないところ。せっかくMobile meがあるのだからiDisk上のファイルを直接KeynoteやNumbersで読み込めるようにして欲しい。

さあ、後は出張用にPocketWifiを買うのかどうかだな。これまでMacBookAirだけでやってきたわけだから、Wifiさえ使えれば大抵の出張用務先でなんとかなるはず。これはゆっくり考えることにしよう。

えっ、6月7日にはiPhone 3Gの新機種発表ですと?いやー流石にそれはまずいでしょう。毎年携帯電話を買い替えるようなガジェットオタクのようなことをやるわけにはいかないでしょう。今年はiPadを買ったことで我慢我慢。本当だよ。

ちなみにThird watchってのは実は一度も見たことが無い。

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